第5章 ホントのハナシ
『個性って何なの?』
「あー帯電、電気纏ったり出来んのビリビリーっと」
フラペチーノを飲みながら軽く言う電気くん
それって相当強くないか?
『すごいね、あ、だからかな』
ふと思い出して言うと「なにが?」って聞かれる
『……/////今度いう』
「なになになに?照れてる顔マジで可愛いけど、気になるじゃん!」
『ほんとに今は無理!言えない!/////』
エッチしてる時、時々ピリピリするとか、絶対言えない
電気くんは残念そうにフラペチーノを啜っている
「あ、咲良の個性は?」
『あー私?しょぼいよ…?』
「知りたい」
『手から、お花が出せます』
ポンッという音がして、花が1輪でてくる
今日は濃いピンクのアネモネか…
『でも、お花はその時の気分でしか出せないから
望んだやつが出る訳では無いの』
「へぇー!可愛い個性だな
この花は?」
『アネモネだよ』
花言葉は、儚い恋
やっぱりね、私は電気くんのこと好きなんだ…
でも報われない儚い恋
分かってるなら好きにならなければいいのに
この花言葉は自分の気持ちに嘘がつけない
だからあまり出したくない
幸せな時はいいけれど、辛い時にはそれを自覚したくなくなるから
電気くんは、私の手のひらからアネモネをそっと取って
まじまじと見つめる
「可愛いな、オレこの花好きだよ」
そう言って私の髪にさしてくれる
『//////////』
きっと私の顔も、アネモネに負けず劣らず赤くなっているのだろう
何も言えず、モカを飲んだ