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【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第3章 ここから始めて



スッキリとした気持ちで会社のロビーを進む
6年勤めたこの会社とも今日でサヨナラだ…

ガラス張りの出口の先に電気くんが見える
あのドアを潜れば、もう新しく進める気がしていた

一の光が刺したような気がしたその時…
「咲良!」

肩を掴まれて引き留められた。
最悪だ

『裕太………』

そこに居たのは、元婚約者の齋藤裕太…

「咲良!昨日は悪かった
あれは、ちょっと魔が指しただけだったんだよ…」

『離して…』
顔も見たくなくて、目を背けた
何も聞きたくない、何も言うな、黙れ

「俺が愛してるのはお前だけなんだよ、咲良
ホントに、マリッジブルーになってて…そん時にアイツから誘われて…」

『そんな言い訳聞きたくないし、聞いても意味無い』

「帰ってきてくれよ、な?
来月は入籍だし、三ヶ月後には結婚式だろ?」



『結婚式の招待状をまだ発送してなくてよかったよ…
アンタとは結婚しないし、顔も見たくない、消えて』


「…冗談だよな?咲良、本当に悪かった
俺が悪かったから…
お前が好きなんだよ!ずっと一緒に居よう、愛してるんだ」


『どの口で言ってんのか知らないけど…
もう無理だから』

そう言って睨みつけると、裕太が私の肩をつかむ力が強くなった
『痛っ!』

「土下座したらいいのか?
そしたら許してくれるのか?咲良、なあ」

情けない顔で涙を流しながらすがってくる裕太
あれだけ好きだったはずなのに、今は気持ち悪いとしか思えない


『いいから、手はな…「おい、手ぇはなせ」


『電気くん…』
低い声に振り返ると、険しい顔をした電気くん

「なんだよこのガキ…」

「は?お前こそ誰だよ、オッサン」

「お、お、お、っさん?!」

「いくぞ、咲良」

オッサンと言われたショックで、口をパクパクさせる裕太を無視して、電気くんは私の手を掴んで出口に向かって歩いていく


「っ!!おい、待て!
糞ガキ、大人舐めてっと殺すぞ!
咲良は俺の女なんだよ、触んな」

『きゃっ!』

裕太は私の腕を掴んで、引き剥がす
掴まれた腕がすごく痛い


「…はぁ?
咲良が誰のだって?」

気のせいかピリピリと電気くんの体を電流が纏ってるかのように光った

「咲良は、もうとっくにオレのだよオッサン」


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