【跡部】All′s fair in Love&War
第9章 carnival night!
「もう大丈夫、いいよ」
「え、だって」
「私ばっかりしてもらっちゃってるから、辛いんじゃない?」
そこは否定出来ない。頷くと、守河は笑いながらまた寝そべった。そのままの笑顔で俺を見つめている。ぞくり、と背中を何かが走り抜けた。
「守河、ごめん、」
手早く忍足にカバンにねじ込まれてあったゴムを着け。守河の膣口に宛てがう。熱い熱いそこは、ぬちゃり、と音を立てた。
「もー、また謝るのね」
「だってさ…あんなきっかけでしちまうなんて、」
「ジロちゃん、」
ふわり、と守河が笑う。
毎日一緒に居るのに、初めて見た気がする表情だった。
「私ね、オトコノコの中なら、ジロちゃんが一番好きだよ」
――じゃあ、オンナノコも含めたら?そう聞き返すのは無粋だと分かっていた。大きな嬉しさと、少しの悔しさが俺の背を押す。ぐっ、と腰を推し進めると。めりっと音がしたような感覚、守河も小さく悲鳴をあげた、痛いに決まっている。が、案外すんなりと中に入ることが出来た。
「あはっ、やっぱり…」
「え?何、守河…」
今笑われると正直辛い。どんな小さな刺激でも達してしまいそうな快感の中、慣らすためにじっとしていると、守河が軽く笑って言った。
「絶対するっと入るって、思ってたの。ジロちゃんのなら」
「…なんで?」
「さっきあの人に触られた時はね、何も感じなかったの。虫が這い回ってるみたいな感じでね、でも」
―それは、つまり。そういう事?
ゆる、と動いてみると。それに反応して守河が声を上げる。
「あっ…ん、ほら、ね?ちゃんと気持ちいいのよ、だから、ね、んっ、あぁっ」
最後まで聞いていられる気がしなくて、我慢もできそうになくて、中挿を続ける。守河の声はどんどん甘くなってきている気がする。それが嬉しくて、気持ち良くて、今日もう何度目かわからないけど、泣きそうになった。
――いや、もう泣いちゃってるのかも。
もう、汗も涙もわからない。俺と守河の間にも、何も無くなっちゃったような、初めての感覚に心が震える。守河の声以外、もう何も聞こえない。
「ひっ、あぁっ…ジロ、ちゃんっ…!」
「…こんな時に名前呼ぶとかっ、ほんとっ、反則だからねっ…!!」