第9章 carnival night！

「どーぞ」
「…え、」
「召し上がれ、みたいな？」
「は！？え、何言ってんのさ！？こんな時に冗談言うなって！」
「ジロちゃんとなら、何か感じれそうな気がするのよね」


おろおろと戸惑って何も出来なくなった俺に、じり、と守河がもたれ掛かって来る。
シャツから除く生身の肌が、俺の腕に触れる。


「冗談なら言わない、ジロちゃんなら良いのよ」
「こんな時にするもんじゃないし」
「あんな奴に触られた事、上書きしてくれないの？」
「そんな簡単に済ませるもんじゃないじゃん！」


――だって、女の子にとっては大事な事じゃないの？
振り絞るように言った俺の言葉は、守河に遮られる。


「大事だから、良いって言ってるのよ」



その言葉に、また涙がこみ上げてくるような感覚を覚えた。
ぶわっと、胸の辺りから頭の先まで、いや、足の爪の先までも、体全体が熱を持ったような感覚。
そして、その衝動そのままに、守河の体をシーツの上に押し付けた。前がはだけたシャツは、はらりと散らばる。大人っぽい黒の下着。守河らしい、と思った。


「…ごめん」
「やだ、なんで謝るの？」
「中身見ちゃった」
「これから全部見ちゃうのに？」


恥じらう様子もない守河に、何だか悔しくなってきて。前に忍足の部屋で見た映像を思い出しながら、胸のあたりに唇を寄せた。


「ふふっ、擽ったい」


あの時の女優とは全然違う反応。でも、反応が返ってきた事が嬉しくて。下着をずらして、ちゅ、ちゅといろんな所にキスして見る。すると、胸のてっぺん辺りがぷっくりと膨らんできた事に気付いた。はむ、と口に含んでみる。


「――ひゃ、」


今までと違う反応に驚いて顔を上げてみると、守河も驚いたように口に手を当てていた。
――可愛い、嬉しい！！
もっと声が聞きたくて、もう一度乳首を口に含む。


「んんっ…」


我慢したようなくぐもった声が聞こえてきた。…可愛いけど、我慢しなくていいのにー。そう思いながら、ぺろぺろと舌で転がしてみる。守河の声は必死めいてきて、止まらなくなってきた。


「んんっ、や、はぁっ…！」