【跡部】All′s fair in Love&War
第9章 carnival night!
――うーん、何でこうなったんだっけ。
ぼーっと見上げた保健室の天井は真っ白だ。
ジロちゃんならきっとここに来るだろう、それまで寝て待っていよう。
久々に動き回って疲れていたのか、雑用に駆り出されてしまったジロちゃんを待ちながら微睡んでいると。
顔は知っているけど名前は何だっけ?テニス部の先輩がニヤニヤと笑いながら近づいてきて、そして組み敷かれた。抵抗しない私に気を良くしたのか、ずっと好きだったの何だの言いながら身体を触ってくる。
――ちょっと、一応初めてなんだけどなー。
昔から、無感動・無関心だと言われてきた。
あの子さえ居てくれたらいいの。だから、親に無理やり入れられた氷帝にも、泣き落として連れてきた。
肌を這いずり回る手にも、何も感じない。嫌は嫌だけど、抵抗して殴られたりするのはもっと嫌。さっさと終わらせてくれないかなー、と上に乗っている彼を見ていると、目が合ってニタニタとした笑みを向けられる。
――気持ち悪い、
何も心を揺らさない。世界でただ、彼女だけ――いや、違った。そう、もう一人…
「…何してんの」
「あ、ジロちゃんだぁ」
「え!?芥川っ…!!」