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【跡部】All′s fair in Love&War

第7章 carnival day!(中編)






「松元さん、メイド服を着て裏方仕事したらいいと思いませんか?」
「…え、」
「だって折角守河さんが松元さんのために用意したんでしょう?写真撮影だけなんて勿体無いですよ!」


ちょたの突然の提案に狼狽する、加えて――俺も見たいです、と無邪気な言葉。跡部なんかの言葉より余程すっと胸に落ちてくる、でも、すっかりひねくれてしまったあたしはやはり素直に受け止められない。


「いやいや、着替えに行く暇も無いしさー。それに動きにくそうだし…」
「俺も裏方手伝いますよ、ね?みんないいよね?」

呼びかけられブンブンと音を立てるように頷く1年の子達。すっかり目がハートになっている。実に素直で羨ましい程だ。


「きっと先輩方も見たがってますよ!」
「…そうかな、」


ねぇちょた、それってあいつも?いや、それはないよね、でも――


「ありがと、ちょた!あたし部室に行って着替えてくるね!」
「松元さん、一人で大丈夫ですか?」
「裏庭突っ切ればそこだから、すぐに戻るね!」
「お祭りで部外者も多いですからね、気をつけて下さいね!」


ちょたにばっと手を振って、少し機嫌の治ったあたしは部室に向け駆け出す。執事喫茶のために借りていた三階の視聴覚室の窓からは、裏庭の向こうに部室が見下ろせる程の位置だった。通り抜けようとした裏庭には、ちょたの言う通り何人かたむろしている。さーっと通り抜けて、部室に入って。茉奈莉ちゃんがロッカーに入れるね、と言ってくれていたメイド服を取り出す。


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