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【文スト】永久に枯れない花の色は

第8章 彼の見えざる手


「中也兄様。お金など如何でも良いのです。□□を潰したいと云えば手筈は何れくらいで整います?」

「「!?」」

黒尽く目の男達が、大きく反応した。


「ハァ?□□なんざポートマフィアの敵にすらならねェ事くらい判ってんだろうが。薄雪独りで乗り込んだところで3分要らねぇよ」


ポートマフィア―――……

今、この何処からか現れた薄雪さんの兄らしいこの人はそんなことを云わなかっただろうか。

自分への危機を免れているせいか、○○の脳が正常に動き出しつつある。


「そんな面倒なことしたくないです」

むぅ。
少し頬を膨らませながら云った薄雪の頭を撫でてやる中也。

「判ったからむくれんな」

「ふふっ。矢っ張り中也兄様は優しいですね」

満面の笑みで云った薄雪の元に黒尽く目の男が駆け寄る。


「待ってくれっ……下さい!□□は全く関係ないんです!金なら返しますから!!」


半泣きで土下座しながら云う男達に薄雪の表情が冷めたものになる。

「私たちポートマフィアは、『損害は倍の利益として返らなければ負わない』事になっています」

「!だったら抗争なんて損害にしかっ……!」

薄雪とは話にならないと思ったのか。
すがるような目で中也を見る男達。


「中也兄様は強いですから□□を壊滅させるくらい大したことありませんよ。だから貴方達に差し上げた20万と中也兄様の労力分の損害も11人居れば賄えるでしょうし」

「ヒッ!?」

「「「「!?」」」」

薄雪の言葉に、周りの取り巻きも一斉にビクッとなる。
次に紡がれる言葉が頭に浮かんだのだ。


「生きていても価値がない人間でさえ、死にさえすれば幾らでも金になりますから」


「!?」


笑顔で告げた薄雪の言葉に、ついに正常な脳に戻った○○が反応した。


薄雪は、この地域で有名なポートマフィアの人間だと云うことをハッキリと理解したのだ。
しかし、どうすれば良いのか。
これからの解決策が浮かばずに座り込んだまま、突如として遠くから聞こえ始めた音を呆然と聴いた。


目の前の黒が動き始める。



「チッ。誰か通報しやがったな」


「「「「!」」」」


中也の言葉に○○を含め、「ポートマフィア」ではない連中が一斉に反応をする。

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