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【文スト】永久に枯れない花の色は

第2章 何もない日常


「薄雪。アンタ、恋人居ないのかい?」

「居ないですね」

「声を掛けられることくらい有るだろう?」

「まぁ……スーパーの帰りとか良く有りますね」

「!それで発展しないのかい?」

「え?あ、はい。同じ方から2回ほど声を掛けられると、何故かその後パッタリと姿すら見えなくなりますから」

「……何て返答をしてるンだい?全く」

「気に病むような言い方はしてない筈なんですけど……想い人が居ますからとしか」


「………え」

薄雪は苦笑して答えた。
与謝野が気になる一言について聞き返そうとしたときに、2人に合流してしまった。



「あ!与謝野さん!此れとかどうですか?」

「妾には一寸派手だねェ」

「薄雪さんにはこれなんか似合いそうですー」

「そんな可愛らしい服は似合いませんよ」

そんな会話をしているときだった。


「じゃあ俺達が似合う服選んであげるよ」

「そうそう、あっちとか行こうぜー」

男が3人、乱入してきたのだ。

「……行くよ」

「はぁい」

与謝野の一言で素早く退散する4人。


「一寸待てよ。良いじゃん。俺達と遊ぼうぜ」

「生憎、今日は女子会なンでねェ。遊ぶ娘欲しけりャ余所中ッてくンな」

「つれねーなー一寸だけでいいからよぉ!」

そう云って薄雪の腕を男の1人が掴んだ。

「………離して下さい。痛いです」

「良いじゃんーねっ!」

「……。」

面倒そうな顔を浮かべる薄雪。


「薄雪?何してるんだい?」

「!」


突如、割って入ってくる男の声。

「「「太宰(さん)」」」

フラリと現れたのは探偵社員の一人、太宰だ。


「迎えに来て下さるのが遅いです」

「あはは。それは悪いことしたね」

笑顔でそう云うと薄雪をヒョイと抱き寄せて掴まれた腕に手を伸ばす。


「この子は私のモノだから離してもらえないかな?」

「「「!?」」」


寒気の混じった笑顔。

男たちが舌打ちして去っていった。


「如何して此処に居るンだい?」

「ただの買い物ですよ」

「それならば太宰さんもご一緒すれば善かったですのに」

「はは…そうだねぇ……」


太宰が笑いながら云う。
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