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【文スト】永久に枯れない花の色は

第7章 戦争の残火


「薄雪はその理由を知らないんですよ乱歩さん」

「ふーん。太宰は知ってんの?」

「ええ」

太宰は苦笑する。
そして、云った。


「ポートマフィアの首領は森さんですが、『ポートマフィアの組織自体』は薄雪のモノなんですよ」


「何だと!?」

国木田が大声で反応した。


「先代は寝床から指示を出すほどまでに病に蝕まれていた」

「………遺書か」

「中りです」

たった一言で乱歩だけは凡てを見抜いたようだ。

「遺書と呼ぶには不完全なモノではありましたが、『私が死没せしむる時、首領次席である白沢薄雪に組織を譲り渡す』―――薄雪に継がせる積もりでいることが明白な文章が遺されていた。森さんは首領の地位と組織を別物と扱うことにし、ポートマフィアの首領に就いた」

「………それって詰まり?」


敦は手を口許に当てて考えながら聴いていたようだが、結論は出なかったようだ。



「薄雪はポートマフィアに産まれ、マフィアとして育った。だから―――ポートマフィアは薄雪の『実家』だと云うことだよ」

「「「!」」」


「その『実家』には薄雪以外の身内にはもう居ない。だから『家主』は薄雪と云うことになる」

「それで裏切り者扱いされないンですね」


「無意識なんだろうけど…薄雪も姿を眩ます毎に『家出します』って云うからねえ」


太宰はうーん、と腕を組んで云った。


「何時でもポートマフィアに帰れるッてワケかい」

「そうなりますねぇー。マフィア側は薄雪の帰宅を拒むことは絶対に無い」

与謝野の言葉をあっさりと肯定する。


「太宰」

「はい?」

「―――あるでしょ。1つだけ方法が」

「………。」

「白沢がマフィアに戻らない方法がですか!?」

「そうだよー」

国木田の反応に、薄い反応を返す乱歩。

敦や谷崎は「流石、乱歩さん!」と拍手しているが。
太宰は苦笑するだけだ。


「……もう少し時間が掛かりますよ」

「そ。頑張ってねー」

「「「「?」」」」

2人だけしかわからない会話。
その会話が終わったと同時に薄雪がお茶を運んできた。


「?」


ポカンとしている皆を見て薄雪も如何したのかと首を傾げたのだった。
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