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【文スト】永久に枯れない花の色は

第7章 戦争の残火


その姿を捕らえると男は急に震えだした。


「お前……どうやってあの部屋を……」

「勿論、扉から出てきましたよ?あの部屋の出入り口は1つしか無いようでしたので」


ニコッと笑って薄雪は答えた。

そして、伝令より遅れて、共に死体を運ぶために離席していた男達が戻ってきて大騒ぎをし始める。


「おい!死体が無い!!」

「それだけじゃねーよ!水すら無くなっちまってる!!」


仲間にそう伝えたあと、視界に薄雪を捕らえた様だ。まるで幽霊でも見るかのように「ヒィ!」と怯えて、後ずさる。


「あら。お探しものは死体とあの部屋を埋めた水でしたか」

薄雪が男達の方を、向いた。


「そんなに大事なものとは知らずに済みません。気付かなくて」

ニコッと笑って云う。


そして


「直ぐに――――お返ししますよ」


笑顔が消えた顔で、告げた。


ゴオッ!!


突然、水の柱が現れ、男たちを飲み込んだ。



男達の身体の幅程の水の柱は男たちを離すことを赦さない様だ。
もがいた拍子に伸ばした手が柱の外に出ることはあっても身体本体は柱の外に移動することは出来ない。

故に、必死に抵抗をしている。


そんな仲間の様子を見て、一人取り残されているボスは膝を折った。


敦たちも言葉にならない様子で、その光景を眺めている。


「あ……あっ……!?」

「何を嘆いているのです?今の状況は貴方がたが私達に強いたことと同じではありませんか」

薄雪はゆっくりとボスに近づいていく。


「お前……は…只の事務員じゃ……」

「そうですよ」

ニコッと笑って続ける。


「後は死体をお捜しでしたね。もう少々お待ち下さい。そろそろ出来上がる頃ですから」


「ヒッ…!」

笑顔で告げる内容では無いせいもあってか。

男は卒倒してしまった。


「やれやれ。未だ手を下してないのに情けないですね」

溜め息をついてパチンと指を鳴らすと、柱が消えた。


そして漸く太宰達の方へ歩み寄ってくる。


「何してるんです?」

「勿論、好きでこんな格好をしてるわけじゃ無いよ?」

「中也兄様もよく治兄様に引っ付いてましたね」

「俺が望んだ訳じゃねぇよ!」



「「「……。」」」


漫才のようなやり取りをしている3人を黙ってみている、その他4人。
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