第7章 戦争の残火
「何故、お前が此処に居る!?」
「それは僕の質問だ。人虎、貴様こそ此処で何をしている。貴様が持っているその電話の主を如何した」
「は?電話の主…?」
そう云われて手元の電話に視線を移す。
「僕は太宰さんを捜してただけで、此れは今、此処で拾ったんだ」
「……。」
太宰という単語に、芥川がピクッと反応した。
良く判らない状況であるが、
『あの』芥川が直ぐに攻撃を仕掛けて来ないことと、電話の主と云う単語から
「……お前も此の電話の持ち主を捜しているのか」
「……。」
電話を芥川の方へ放った。
黒の何かが器用に其れを受け取る。
「もしかしてお前の部下の―………」
「!?」
敦が口を声を掛けたのと同時だった。
「「!」」
グラッ……
強烈な眠気が2人を襲う。
「なっ……!」
「催眠…ガスか……!」
ドサッ!
2人はその場で意識を失った―――。