第3章 慌ただしくなる日々
未だ荒れた状態の箇所の片付けを手伝う薄雪。
「白沢さん、此の書類の復元を」
「判りました」
「薄雪さんーこの資料は?」
「○○さんが使用されますので其方に」
「薄雪ちゃん、電源が着かないんだけど」
「少々お待ち下さい・・・。あ、此処の配線が反対になってますよ」
間で全く違う仕事を頼まれるも、作業能率が全く落ちない薄雪に感心している国木田。
「仕事をしてる時は淡々としてて顔に出さないタイプだねェ」
「そう言われればそうですね。話している時は笑ったりしているようですが」
そんな国木田に与謝野が話し掛ける。
「気になンのかい?国木田」
「なっ!?」
与謝野がニヤニヤしている。勿論、獲物は予想通りの反応を示す。
「薄雪は想い人が居るッてよ」
与謝野の一言。
もう少し大きく反応するかと思いきや、
「否、だから誤解ですって!」
「なンだ。つまンないねェ」
ニヤリと笑っている与謝野に頭を抱える。
「片付けお疲れ様です」
「うぉ!?」
そんな2人の会話を知ってか知らずか。
お茶を持った薄雪が現れたのだ。
「おー。薄雪もお疲れ様。具合は大丈夫かい?」
「あ、はい。皆さんが気遣って下さった為、問題なく」
ニコッと笑ってお茶を置くと、直ぐに違う人達の元へお茶を配りに行った。
「ホント、気が利くねェ」
お茶をすすりながら与謝野が呟いた。
「ただいまー!」
「お!おかえりー乱歩さん」
其処に殺人事件の解決に行っていた乱歩、敦。
其れに―――
「だーざーいー………貴様ぁ~~~~」
「ただいまー国木田君。ってあれ?如何してそんなに怒ってるんだい?」
「どうして、だと?」
爽やかな笑顔で帰社した太宰にズカズカと歩み寄る国木田。
怒りが溢れ過ぎてワナワナと震えている。
「一体、今の今まで何処をほっつき歩いていた!?貴様の本日の業務は――――!!!!」
国木田の説教が始まる。
多少、ボロボロになった事務所だが
何時もの光景が戻った。