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名探偵である彼等二人と歩むあの世界とは…

第1章 ※原作より過去に戻る


「現実とはまさに非情である」
「どうしたんだ、マスター」
「…お金が足りません」

カルデアにいた時はお金なんて考えた事がなかった。そこの特務機関のエキスパートとしてパソコンを弄る毎日を送り働いていた。金銭は全てカルデア持ちだったし、人が簡単に死ぬ、未来や過去が変わると言う事が平気で起こると言うのに給料の事なんて考えても見なかった。まさか飛ばされて鞄の中に財布と携帯、通帳しかなくてマンションを買い、服や家具などの出品が痛く沢山あったお金は少なくなる。これでは今後の生活に支障が出るわと言う結論に至った。まぁ…有難かった事は通帳は使えて、私の戸籍や身分証明書も異世界でも大丈夫だったと言う事だ。

「ほぉ…それは困ったな」
「すみません、ジェームズさんは貴族だと言うのに貧乏暮らしをさせてしまうかも…」
「なに、気にする事はないさ…私は霊体化している時は飲食をしなくても生きて行けるからネ。だが君が倒れた時は私も死んでしまうからそこは気を付けて欲しいところだ」
「はい…」

やはりここは働くか…しかしなんの仕事に就こうか、やっぱりパソコンとか?ネットワーク関係には強い私は考える、その時モリアーティは閃いたように口を開いた。彼の目はパソコンの方に向いている。

「ハッキングならどうだろうか。情報屋ならば裏でも随分金になり儲かるぞ」
「わーお、私もしかして裏に誘われてます?」
「なに、立子を殺させるつもりはないさ…我がマスターだからな、いいだろう。悪の組織運営に関する授業を始めようじゃないか!……え?いらない?」

悪の組織運営の授業ってなんだよ、教えられても困るわと手で×を作りいらないと頷く私は…情報屋かとパソコンに視線を向けた。多分、モリアーティが悪の組織を作ったら黒の組織は直ぐに壊滅しなくなるんじゃないだろうか。いや逆に傘下へ加わりそうな予感しかない。それくらい彼自身にカリスマ性がある、うん。敵に回したくはないものだ。

「情報屋…考えて見ます。確かにハッキングはカルデアに務める前からやっていましたし…」

寧ろその評価が上司で友人のダヴィンチちゃんやDr.ロマニに伝わり是非ともカルデアに入って力を貸して欲しいと言われた事がそもそもの話になる。それにしても…ロマニの件を思い出すと泣きそうになるが、今はぐっと耐える。男や女である立香は大丈夫なのだろうかと心配になった
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