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【銀魂/土方夢】恋すてふ

第1章 しづ心なく(土方side)


「俺は、土方十四郎だ。真撰組の副長をしている」
「知ってるよ。私もこういう仕事してるから。土方さん、有名だもん」
「……」
「私がやってるのは民事ばかりだから、真撰組さんとは縁がないけど、たまーに裁判所に来るでしょ。見かけたことあるよ」
「……そうか」
「キレ味鋭い鬼の副長さん、って言われてるし、オーラもハンパないからどんなに怖い人なんだろうって思ってたけど」
まあ、俺がにらみを効かせておかないといけねえ部分はあるからな。
だが、続けた女の言葉に俺は仰天する。
「マヨネーズ丼美味しそうに食べてるのを見たら、ちょっと可愛いなって思っちゃった」
可愛い?
俺が?
俺の不審そうな顔に、彼女は慌てて言葉を継ぐ。
「あー、本当にごめんなさい。そんなこと言われても土方さんは全然嬉しくないよね。でも、ギャップがあるのは土方さんの方だもの」
「そうか?」
「そうよ。……うわ!もう時間ないや。おやじさん、お勘定ここに置くね。土方さん、良かったら残り食べて。おやじさんの折角作ってくれた定食、残すの気が引ける」
「お、おお」
俺の返事が耳に入ったかどうか。
彼女はバッグを肩にして、嵐のように(やはりいい匂いがした)去って行った。
俺は、彼女が残した唐揚げと白飯を遠慮無くいただくことにした。
俺はもちろんかまわねェ。だが、会って2回目の男に、自分の残り物食わせようとする女がいるとは。
「変わった女だな」
思わずつぶやいた。
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