• テキストサイズ

【銀魂/土方夢】恋すてふ

第2章 恋ぞつもりて(土方side)


そして次の水曜日。
定食屋で俺の前に座った彼女は、思いがけないことを口にした。
「土方さん、明後日の夕方からってお仕事だったりする?」
「今週は内勤だから、大きな事件がないかぎり、屯所で書類作ってるだろうな。時間を空けようと思えば明けられるけど」
「ほんと?」
「何か用事があるのか」
「あのね、実は頂き物の歌舞伎のチケットがあるの。この前のお礼をかねて、土方さんと一緒に行けたらなって思って」
俺は思わず箸を落とした。
それって、デデデデートの誘いってことかァァァ?
「あんたと一緒に歌舞伎見に行くってこと?」
「そう。ダメかな?」
ダメなんてことあるはずねえよ。
むしろ、デデデデートで、肝試しでも歯医者でも行ける気がするぜ、今の俺。
歯医者デートってよくわかんねえけどな。
「俺はこれまで歌舞伎なんざ見たことないが、それでもいいのか?」
「初歌舞伎なんだ?かぶき町に近いところに住居兼職場があるのにね」
「まあそうだな。かぶき町は、歌舞伎とは全然接点なさそうだが」
「かぶき町にも歌舞伎の演舞場を作るっていう話が攘夷戦争の終わりにあったみたいよ」
へえ。俺は所詮田舎モンだから、そんな町の名前の由来なんて知らなかった。
「なあ、歌舞伎ってどんな格好で見に行くんだ?正装した方がいいか?」
「え?何でもいいのよ。私だって仕事帰りだからスーツ着てるわ。仕事のあと駆けつけるなら隊服でいいだろうし、そうでなければ着流しでいいんじゃない?」
そっか。羽織袴とかじゃなくていいのか。
/ 24ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp