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【銀魂/銀時夢】忍ぶれど

第1章 しづ心なく(銀時side)


「銀さんって、甘い物なら何でも好きなの?」
煮魚定食を食べながら、彼女が聞く。
「甘党だからね」
「じゃあ、今行列が出来てるパンケーキの店とか、行ってみたくない?」
それはかぶき町からほど近いところにある、テレビなどでも取り上げられている店だった。
「おー、行ってみたいな。銀さん行列に並ぶのは仕事柄慣れてるからさ。」
「へえ、万事屋さんって、行列に並ぶ仕事もするの?じゃあ、裁判の傍聴の抽選にも並んだことある?」
「あるけど、俺らが頼まれるのは、新作のゲーム機とか、そういう個人的なものがほとんどだな」
俺は、発売中止に追い込んだOWeeの仕事を思い出したが、その顛末は黙っておいた。
「いつか史緒ちゃんの担当する裁判の抽選に並ぶこともあるかもな」
「ふふ……でも私の担当する裁判は、話題になるような裁判じゃなくて、もっと小さなものだから」
そう言って彼女は笑った。
「私も、行列の出来てるお店でパンケーキ食べてみたいって思ってるんだけど、なかなか忙しくって、何時間待ちもできないんだよね」
「俺は結構時間あるから、いつでも行けるっちゃ行けるけど、あそこは女連れじゃねえと入れねえんだよな」
「そうみたいね。……でも銀さんなら、一緒に行ってくれる女の人の一人や二人、いるでしょ?」
「いねェよ、そんなモン」
「え?じゃあ、万事屋の従業員の女の子と一緒に行くとか?」
「神楽か?あいつは底なし胃袋だから、あんな洒落た店には連れてけねえよ。金がいくらあっても足りなくなる」
「そうなんだ」
俺は自分の掌をぎゅ、と握った。
今がチャンス、だよな。
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