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【銀魂/銀時夢】忍ぶれど

第1章 しづ心なく(銀時side)


どのくらいそうやって、話をしていただろう。
俺は少し勇気を出して聞いてみた。
「史緒ちゃんはこのあとどうするの?」
「え?あ、もうこんな時間なんだ!」
時計を見て、驚いた顔をする。
「今日はこのあとまた用事があるのよ。仕事っていうか……」
「そっか……」
……
……
うわ。
うわうわ。
俺、すっげぇ落ち込んでるんですけどォォォ!
何期待してたの俺!?
逆にビビるわ!!
でも、混乱している俺に返ってきた言葉は意外なものだった。
「ねぇ銀さん、今日はだめなんだけど、今度はごはんでも一緒に食べましょ」
「へっ?」
俺は間抜けな声で返事をしてしまった。
「……だめかな?」
少し不安そうな表情で俺の顔を見る史緒ちゃん。
俺は頭をぷるぷる振った。
「ううん、銀さん、史緒ちゃんと一緒にごはん食べるの大賛成。史緒ちゃんのためなら、空飛んででも海(うきわ使って)泳いででも、万障繰り合わせて駆けつける!」
そんな俺の言葉に彼女は吹き出した。
「もう、何言ってんのよ」
あ。
しまった。
本気にとられなかったかな。
照れ隠しでおちゃらけてしまうのは、俺の悪い癖だ。
だが幸い、俺の気持ちは伝わっていたらしい。
「……でもありがと、銀さん。そんなふうに言ってくれて嬉しい」
彼女の顔が赤く染まっているように見えたのは、俺がそう見たいと思った願望の反映だっただろうか。

地下鉄の改札まで史緒ちゃんを見送り、かぶき町を歩く。
姿が見えなくなるまで、手を振ってくれた姿が目に焼き付いている。
さっきまで一緒にいたのに、またすぐに逢いたいと思ってしまう。
酒を一滴も飲んでないのに、心ここにあらずで頭がふわふわ(髪の毛がではなく)している。
ホント、焼きが回ったな、俺も。
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