第7章 男と女 ※
リヴァイから与えられる口づけは優しい。そして、甘い。
こうして求められていると、リヴァイはもう大人の男なのだと思い知らされる。
少年特有のあどけなさと、時折見せる大人びた表情。
そんなリヴァイしか到底知らなかった。
ところが今目の前にいるのは、紛れもなく男の顔をしたリヴァイ。
見てはいけないものを見てしまったような、もっと覗きたくなるような…。
リヴァイは大切な存在だ。失いたくない。
そばにいたい。いて欲しい。
何より、こうして体を触れ合わせることで愛しさが募っていく。
リヴァイへの気持ちが恋なのかわからない、なんて言ってはみたが、もしかしたら―――。
そう思い直せば、ビアンカからも求めたくなってしまった。
腕をリヴァイの首に絡めて唇を押し当てる。
次第に淫らになっていく口づけは、ビアンカを恍惚とさせた。
(リヴァイ、誰かとこういうことしたのかな…)
経験があっても何ら不思議ではない。
けれどそれが誰なのかと勝手に想像することで、複雑な心境に陥る。
手慣れてはいなさそうだが、初めての割には滑らかなリヴァイのキス。
微かな嫉妬は、ビアンカを少し大胆に変えた。
口内に挿し込まれたリヴァイの舌に自分のものを絡め、もっと深くまで求める。
音を奏で、リヴァイの興奮を煽るよう角度を変えては、舌を掬う。
沈黙したままそれを繰り返しふと唇を離したビアンカは、今度はリヴァイの頬にキスをした。
もう片方の頬にも、額にも、瞼にも。
愛しくて愛しくて、大切だという思いを込めて。
リヴァイと見つめ合った後、どちらからともなくまた深い口づけを。
更に奥までリヴァイを求め、顔を両手で包み込んだ。