第2章 過去 ※
『ま……、待って…っ!』
クローテの足元に母親がすがり付く。
その姿を、クローテは虫ケラを見るかのように冷たく見下ろした。
『わ…たしが……っ、そこには私が…行くから…!お願い、ビアンカだけは……助けて……っ!』
『てめぇみたいな年増が金になるかよ!!よくもこの俺から逃げようなんて考えたなぁ?ビアンカを売ればてめぇなんかにゃ用はねぇ!!』
次の瞬間―――。
クローテは懐から取り出したナイフで、母親の体を突き刺した。
『…っ!?いやああぁあぁァァっっ!!!
母さんっ!!母さああぁぁあんっ!!!』
母親は地面に倒れ、ピクリともしなかった。
投げ出された体の下には、真っ赤な血溜りがどんどん広がっていく。
泣き叫ぶビアンカの両肩を掴み、クローテは地面へ押し倒す。
『へへっ…売る前に味見しとくか』
『いやっ、いやああぁぁっ!!母さんっ!!返事してぇっ、母さぁんっ…!!』
服が引き裂かれ犯されそうになっていても、ビアンカにとっては母親の生死の方が重要だった。
しかしどんなに呼び掛けても叫んでも、その口が返事をすることはない。
『かあさあぁあんっ!!…っ、あああぁぁぁ!!』
絶叫するビアンカはクローテによって犯されようとしていた。
半裸にされ、局部に勃起したものを当てがわれている。
『うるせぇっ!もうあの女は死んでんだ!黙って犯られろ!』
クローテが手を振りかざし、勢いよく平手を打とうとする。
が、咄嗟に身構えたビアンカの頬には、いつまでたっても衝撃はやってこない。