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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第5章 第四章 ドッペルゲンガーという概念は我々にはない


適当に話をして、彼岸花と鳴狐は屋敷に帰ることにした。
現状、詳しい一期の状態が解らないので、そこは鳴狐に情報収集をしてもらう、ということで落ち着いた。
「さて、じゃあ、次は何しようかな………」
「なに、とは?」
お供が覗きこんでくるのを横目で見ながら、彼岸花は言う。
「いやー。畑も中々安定してきたから、そろそろ他の刀とも話をしないといけないし、何か始めようかな、と」
「彼岸花殿は恐れ知らずなのですな!勇敢だと鳴狐も言っております」
「いや、言ってはないね。恐れ知らずではないよ、死ぬのは恐いし。」
「そうなのですか?その感覚はあまり我々にはありませんな。」
「まぁ、刀だからね。戦ってなんぼですし。………待てよ、戦ってなんぼ?」
「んん?どうかなされましたか?」
「……………そうか。刀なら、自分より強い人は認めるよね」
「そうですなぁ。確かに、強者に対する憧れは人一倍強いと言えましょう」
「だよね。なら、良いこと思い付いた。」
「ほうほう。良いこと、とな。」
「………知りたい」
「ふふふ。まぁ、まだ内緒。でも、それに当たっての手伝いはして欲しいな」
彼岸花が言うと、鳴狐とお供が互いに顔を見合わせた。
「よく解りませぬが、朋友である彼岸花殿の頼みです!引き受けましょう、ねぇ、鳴狐!」
「………任せて」
「そりゃ、よかった。ならこのあと早速………」


「………で、手合わせを頼みたい、と」
屋敷の庭。そこで彼岸花は必死に歌仙へと頭を下げていた。
「いやー。私、戦闘も何も知らないから。出来れば教えて欲しいな、と。」
「………それは構わないけど、君相手じゃあ、僕らは楽しめそうにないね」
好戦的な歌仙の発言に目を丸くする彼岸花。だが、彼女は直ぐに思い出した。
(そうか、元は刀、だもんね)
戦うことが嫌いなわけがない。多少、その思いに大小はあれど、戦うことは彼等の根本的存在意義であり、彼等が最も彼等としての魅力を出せる瞬間だ。
その思いは、彼岸花にも解る気がした。
だからこそ、今。悔しいと思った。
「それはどうかな?やってみないと解らないだろ。掛かってこい」
軽い挑発は開始の一声。
本体ではなく木刀を構えた二人は、同時に動いた。
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