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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊


歌仙は外を見ていた。
道場の壁に背を預け、窓の外を見る。
「今日は雨、か」
水やり当番だったので丁度良かった。出来たら畑仕事はやりたくない。
(…………………何て、ね)
本当は彼女に会いたくないだけなのだが。
「なぁ!歌仙!!」
歌仙がぼんやりとしていると、愛染が話しかけてきた。
「なんだい?」
「おう!今から獅子王と鳴狐とトランプするんだけど、歌仙もやらないか?」
「いや、遠慮しておく。そんな雅じゃないものはやらないよ」
「えー。………まぁ、いいか。やりたくなったらこいよ!」
「あぁ」
最近、愛染は明るくなった。
愛染だけじゃない。獅子王も鳴狐もだ。
それが、なんの影響かなど解っている。
道場の中で彼ら三人だけが楽しそうにトランプをやっている。短刀の子達がそれをチラチラと見ているが、混ざる気はないらしい。
恐らく一期一振の側から離れたくないのだろう。一期一振もあの日からよりおかしくなった。
何もかもが、彼女の影響。その事に気付いている者はまだ少ない。でも、無ではない。
そろそろ、誰かが動き出す。
「歌仙、ちょっといいか?」
(ほら、こんな風に)
「これはこれは、三日月。構わないよ」
「そうか。なら、良かった。……………早速だが、歌仙。何故あの娘に手を貸している?」
単刀直入の問い。それもそうだ。今の三日月に話を楽しむ心はない。
「手を貸す?いいや。僕はただ、あの娘を監視しているだけだよ。」
「それならば、今剣がやっている。お前の仕事ではない。」
「言葉を返すようだけど、何故今剣はそんなことをしているんだい?」
「何故?いやいや、なんと退屈な事を言うな、歌仙。」
「何ーーー?」
歌仙は三日月の顔を確認する。その顔には、何時もと同じ笑みが浮かんでいる。
「お前は、既にあの娘の毒牙に掛かっているのだ。そろそろ、奴も牙を剥くぞ。その時、始めに死ぬのはお前だ。」
「……………随分な事を言ってくれるじゃないか。僕が毒牙にかかった?まさか。殺そうと思えば、あんな娘くらい………」
「ならば、殺せ」
「…………なに?」
「あの小娘にこれ以上引っ掻き回されては堪らん。殺せ」
「君は、どうしてそこまで…………」
「邪魔をされては敵わんからな」
「邪魔?」
おうむ返しのように繰り返して、三日月の顔を見る。
「三日月、小娘が倉へと向かいました」
「今剣かご苦労ーーーさぁ、歌仙」
「………」
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