第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊
怒濤の三日間が流れた。
それは本当にあっという間の三日間で、彼岸花は今でも三日過ぎたことを信じていない。
だが、それでも日々時間は流れるもので………彼岸花は畑の前で突っ立っていた。
「め、芽が出てやがる」
そう。野菜達が発芽した。
これはあり得ないことである。だって、三日だ。三日。牧場物語か!?いやいやいや。
「ど、どうしたんだお前達………こんなに立派になって…………誰だね!未来の科学技術を使ったやつ!!」
野菜達の前で空気を相手に一人芝居をやるくらいには彼岸花も混乱していた。
育つスピードの早さが異常だ。なんだろうこの現象。新手の病気?😷なの。
慌てて倉に走り、農芸の本を取りに行く。
畑まで戻り本を見ると、うっすらと原因が見えてきた。
「霊力で成長してるのか…………」
信じられないことだが、そういうことらしい。
植物を急成長させる術。アニメや漫画では定番だが、神よいいのですか?こんな現象を起こしたりして。悪用する方法を考えますよ。
「マジかよ。何でもありじゃん、現実離れし過ぎだろ。」
付喪神が何を言うのか、という感じではあるがそれはそれ。これはこれだ。
あれだ、アンパンが喋っても驚きはしないがそいつが空を飛んだ瞬間にドン引きするような、そんな感覚。………彼岸花は、あのヒーローが大好きです。
「取り敢えずこんな現象があるのなら、実るのも早そうだな………愛染君が喜びそう」
「俺がなんだー?」
「あ、愛染君。おはよう」
「俺も居るんだけど」
「当たり前だ君は当番だろう。獅子王。……まぁ、おはよう」
「おう。おはよう」
軽い口調で話す。
「で、俺がなんだ?」
「あぁ、そうだ。見た前諸君。野菜達が発芽した。」
「え、マジで?」
彼岸花が畑を指差すと、目を丸くして野菜達を覗きこむ獅子王。
「おおお!すっげーな!!」
言いつつ愛染は野菜の芽を軽く触っている。
「いやー。霊力って凄いね。これなら、予想よりずっと早く実りそう」
「そしたら、飯作ってくれるんだよな!?」
「もちろんだとも。美味しいのを作ろう」
愛染に約束し、彼岸花は何を作ろうかと早くも考えた。
「おー、そりゃ期待だな」
獅子王もこう言ってる事だし、頑張らねば。
「まぁ、先ずは今日の水やりを済ませないとね。水がないと実りませんし」
「そりゃそうだ。じゃ、始めるとすっか」