第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊
彼岸花が畑に戻ったとき、そこには既に四人が揃っていた。
愛染、歌仙、獅子王、鳴狐。
こうして見れば本当に頼もしい事だ。
「君が持っているのが野菜の種かい?」
歌仙の問いに彼岸花は頷いた。
「あ、開ける前に山道の雑草刈ってくれたの誰?」
「それなら、俺と歌仙でやったぜ!」
「そうなんすか。ありがとう!助かるよ!」
愛染と歌仙に礼を言う。
「別に、あそこが通れないと僕らも困るからね」
「そうだよねぇ。本当、雑草の王国やでぇ」
「まぁ、山だしな」
獅子王の突っ込みに新たな可能性を見いだしつつ、彼岸花は葛籠を開けることにした。
「おぉ!これは、豪勢ですなぁ」
「すげぇ、いっぱいある!なぁ!どれを植えるんだ!?」
葛籠の中に山程入った種を見て、鳴狐?と愛染が感嘆の声を出す。
そんな二人を宥めつかせる様に彼岸花は、手をあげて口を開いた。
「まぁまぁ。落ち着きなさいな。畑仕事云々に関しては中々詳しいんだ。取り敢えず、畑を耕しながら説明するよ」
「…………と、言うわけで実るまではまだまだ掛かるだろなぁ。」
「えぇー。そんなにかかんのか。うーん。一番早いのは?」
「今植えた中なら、人参かな。人参生かじりしたい」
「生!!生でも食えるのか!?」
「すみません。ごめんなさい。意味の無い独り言です。鵜呑みにしたらあかん。」
(この何となく意味の無いことを言う癖、直さないとなぁ)
愛染の純粋さに罪悪感を抱きつつ、彼岸花は自らの愚かさを実感した。
因みに、桑四つしか無いんじゃないの?という疑問を抱いた方。安心してください。愛染君は別の仕事をしていますよ。
しかし、流石に男が三人もいるだけある。細いのが二人いるので心配していたが、皆、よく働いてくれた。
歌仙は嫌々ながらではあったが、正直一番頼りになった。
そんなこんなで、畑を耕し種を植えおえた彼岸花達。実るまでまだまだ時間は掛かるが、大きな一歩となった。
「あとは、毎日水をやりにくれば良いだけだね。」
「なら、そっちの方は交代でやろうぜ。」
獅子王の提案に彼岸花も頷くが、一言付け加える事にした。
「でも、私は言い出しっぺだし、毎日来るよ。だから、基本的には四人がローテーションで来てよ。」
「ろーてーしょん?」
「順番にって、こと。」
「あぁ、成る程。………でも、いいのか?結構大変だぜ」