第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊
入り口付近に立っている金髪の少年。
見覚えのない少年。
「えっと、だ、誰?………いや、つーか、心臓に悪いことすんじゃねー!!爆発したかと思っただろ!!美味しいシーンをありがとうございます!!!」
「本音が漏れてんぞー」
ケラケラと笑いながら、少年が歩み寄ってくる。
彼岸花が少年を見ていると、こんのすけが腕より抜け出し、少年の前に立った。
「獅子王!何をしに来たんですか!三日月宗近や鶴丸国永の差し金なら、彼岸花様に手出しはさせません!!」
「ちょ、こんのすけ………?」
毛を逆立てるこんのすけ。
必死に威嚇するこんのすけに対し、少年はちょっと唇を尖らせた。
「ちげぇよ!俺は、手伝いに来てやったんだっつーの!!」
「え、まじすか。やった!」
「喜ぶのが早いです!獅子王は、特に三日月宗近や鶴丸国永と親しい刀剣…………」
「取り敢えず、桑四つ持てる?君、細いね」
「それくらい、持てるって。貸せよ」
「池に捨てたりしたら、次は君の番だよ」
「こわっ!」
「は、話を聞いてください!!」
涙目で訴えかけてくるこんのすけ。
獅子王が去ったのを見届けると、彼岸花はこんのすけを再び抱き寄せた。
「え、な、彼岸花様!?」
「…………ありがとう。守ろうとしてくれて。」
彼岸花が囁く様に礼を述べると、こんのすけは軽く身動ぎをした。
逆立っている毛をゆっくりと撫でてやる。
「…………………そうです。なのに、貴方は…」
「大丈夫だよ。これでも、人を見る目はあるんだ。それにね、踏み出してみてなんぼだから。何とかやってみる。信じて」
「……………………………」
彼岸花の言葉に沈黙するこんのすけ。
風が入り込んできて、静かな時間が流れた。
「…………………今までの九人は、こんなことしませんでした。」
「嫌かい?」
「いいえ。」
「なら、もう少しこうしててもいいかな。頑張ってる君に、美少女の包容だよ」
「自分で言いますか。」
「言います。」
断言する彼岸花。少し恥ずかしいが、まぁ、こんのすけが笑ったので良し。
こんのすけが落ち着いたところで彼岸花は葛籠を開けてみることにした。
先程は邪魔が入ったが、今度は開けることに成功。
「よかった。ちゃんと普通の野菜の種だ。」
「沢山ありますね」
「ね。どうしよう。取り敢えず、全部持ってくか」