第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊
こんのすけを救出して数分後。彼岸花は全身全霊の土下座をしていた。
「ほんっっっとうに!ごめんなさい!!」 「あ、頭をあげてください!私は大丈夫ですから!!」
「すみませんでした。次からは気を付けるんで、何卒」
「本当に怒ってませんよ!それよりも、ほら!早く倉に入りましょう」
「う、うん。ごめんね」
尚も謝りつつ、こんのすけが急かすので倉の前に立つ。
古びておんぼろの倉だが、扉は現在も頑丈である。これを破れと言われたら大砲を出すしかない、くらいのレベルだ。
だが、少し力を入れて押せばあっさりと扉は開いた。
ここまで来てから言うのもなんだが、実は鍵が掛かっている、というオチも考えてはいた。寧ろ、あっても美味しいとすら思っていた。…………こんのすけには絶対に言えない事である。
相変わらずの芸人魂を殴り、「開いてよかったねー」なんて、思ってもないことを口にする。
そのままの勢いで倉にはいると、彼岸花は思わず呟いた。
「あれ?案外、誇りっぽくないな?」
いや、もちろん屋敷より断然空気は汚いが、それでも一年半放置されていたとは思えない。
考えていると、頬を風が撫でた。
おや?と思いつつ、顔を巡らせると開きっぱなしの窓が見えた。
「あー。成る程。不用心だけど、これのおかげか」
閉め忘れたのか、敢えて開けていったのか。判断はつかない。でも、見える範囲の窓は全て開いているので、敢えて開けていったのか。
「取り敢えず、農具農具………」
倉の中を見回す。
「お、発見。」
農具は直ぐに見つかった。
良かったと安堵しながら、軋む床に気を付けつつ近づく。
「桑と如雨露がそれぞれ四つずつありますね。」
こんのすけが呟いた。
彼岸花は念入りにそれぞれを確認した。
壊れてはいない。無事に使えそうだ。
「となると、次は野菜の種…………これか?」
「恐らく………」
桑が立て掛けられていた壁の近くに、ポツンと葛籠が置いてある。
それを持ち上げつつ、少し振ってみる。
「ドカーン!!」
「うおおあああはぁ!?」
爆発しやがった!!??と、箱を投げ捨てこんのすけを巻き込み床に伏せる。
「………………………………………………ん?」
だが、何も起こりはしない。
というより、先程の効果音はどう聞いても生声のような?
「っく、あっはは!」
吹き出す声が聞こえる。
声の主へと顔を向けた。