第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊
これはアカン奴や。何だかよくは解らんが、説教が始まる予感したしない。
「あれー?歌仙、遅いと思ったらなにやってるんだ?」
「ん?あぁ、君か」
畑の入り口に立っているのは、赤い髪の少年。恐らく、短刀だろう。
彼は、歌仙に近づこうとするが、側にいた彼岸花に気付くとその顔に恐怖の色を浮かべて立ち止まった。
「か、歌仙…………そいつ………………」
「愛染、落ち着くんだ。彼女じゃ僕らを傷つけることすら出来ないよ」
「どういう意味だね」
普通に経験の問題だろう。自問自答。
(でもまっ、これはチャンスか。)
取り敢えず、逃げたりキレたり刀を抜いたり壊れたりしなければセーフだ。
「そうなのか………?いや、だけど何かを盾にして脅してくるかも………」
「君は今まで何を見てきたんだ。私はそんなことしないよ」
「仲間を置いて逃げたのにか?」
「私は決めた、何度も言おう。逃げてない。他の敵を倒しに行っただけだ」
「………………………」
「解ってくれたかい?」
尋ねると、丁寧にも首を横に振られた。…………………この野郎。
「と、とにかく歌仙。行こうぜ、皆心配してるんだ」
「………そうだね。これ以上ここにいる意味もないか」
「…………………待って!」
気づけば彼岸花は二人を引き留めていた。
彼岸花の制止に、一応二人は足を止めて振り返ってくれる。
…………これはチャンスだ。今動かなければ一生に一度のチャンスを失ってしまう。
「なんだい?僕らも暇じゃないんだ」
「どうせ部屋に閉じ籠るだけだろ。だったら、協力してよ」
「協力?何を……………いや、解った。だが、断る。」
「断るな。この畑を蘇らせるにはどうしても人手が居るんだ。」
「………………だからなんだい?別に僕はこのままでも構わない。」
「お前もその現状維持論か!いい加減聞きあきたわ!切ないことも苦しいことも辛いこともないほうが良いだろ!!なくす努力をしない人に、未来はないんだ!頼むから、私の話を聞いてくれ!」
「…………………いいだろう。」
「………………………え?」
あれ、通った。ダメで元々だったのだが、これは運が回って来ている?
「何も聞かずに追い出すのはあんまりだからね。」
彼岸花は、グッと内心ガッツポーズ。追い出す追い出さない、の話は一旦置くにしても、よい流れだ。
「それで、君は何が言いたい」