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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第4章 第三章 地球を大切にノーモア森林破壊


平然とはしているが、彼岸花は内心吐きそうだった。
(何だこれ、気分悪っ…………)
霊力が小娘を中心に酷く荒れて、足が自然と震えた。
(この間より酷い…………機嫌でも悪いのか?)
小娘の顔を見ても、真意は読めない。
だから、彼岸花は踏み込むことにした。
震える仲良し二人組の前に立ち、小娘と向かい合った。
「退け。殺すぞ」
「出来るのかい?私の命は重いぞ。何せ、志ある命だからね」
言って、微笑んで見せる。小娘が舌打ちする音が聞こえた。
歩いてくる小娘。初日と同じ、前髪を捕まれる。
だが、彼岸花は目を剃らさない。
逃げるのは簡単だけど、後ろにある全てを思えば、踏みとどまる事もまた、容易であった。
小娘の目と、彼岸花の目が交わる。
暫くの間、空気を無が支配した。
不意に動く小娘。その拳が振り上げられた。
鈍い音。殴られたが、彼岸花は何も言わない。
それに腹を立てたのか、続けて蹴られ、また殴られる。

「死ねよ。」
小娘の言葉と共に、踵が背中を直撃した。
「っ!」
肺の空気が口よりもれる。彼岸花が噎せると、ようやく小娘は踵を返して去っていった。
「ゲホッ、ゴホッ、っぐ、あのやろう…………!地味にやりやがって。」
背中を擦りながら立ち上がると、後ろで扉の閉まる音が聞こえた。
振り返ると、もうそこには誰もいなかった。
……………本当に、殴られ損である。
何一つ事態が好転しなかった。
(闇を見ただけだ)
それも必要なことではあるが、頭の痛い話である。
「………………………………」
これ以上ここにいても仕方がない。
彼岸花はその場を離れた。

ーーー風を切る音が響く。
何もない庭。そこで刀を振る彼岸花は、ふとよいことを思い付いた。
それは、まさに、ニュートンが万有引力を発見した時と同じくらいのひらめきだ。
思い立ったが吉日。彼岸花は刀を仕舞って走り出した。
本丸の塀。それを、飛び越えて外に出る。
本丸のすぐ横には小道が通っており、そこを走って行けば畑に出る。
小道の横は林。昨日の悪夢が蘇りそうではあるが、空気は澄み渡っているのでよし。
時空ゲートを通ってきたのでよくわからないが、ここは人里からは大きく離れた山奥のようだ。空気がうまい。
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