第3章 第二章 変化を求める、カメレオン
「見えましたが、じゃねーわ。本当にたいまん勝負だよ。死ぬかと思った」
「大丈夫ですか?」
「……………………ちょっと堪えたけど、大丈夫。」
「…………………そうですか。」
「一期一振は、」「はい?」「壊れてしまってるんだね」「………………はい。」
こんのすけの肯定に、思わず泣いてしまいそうになる。
空を仰げば、真っ青だ。何一つ、世界に問題などないように、太陽は照らしてくれている。
「……………………何もね、伝わっていなかったよ。」
乱藤四郎を助けたとき、少しだけ状況が良くなったように錯覚した。
皆で戦って、息を合わせて。何かは、触れた気がした。
もしかしたら、それはただの壁だったのかもしれない。
そんなに簡単じゃないと、解ってはいたのに。
「……………………彼岸花様。」
「うん?って、ちょちょっ!何してはるの!?」
額を地面につけ、所謂土下座をするこんのすけに彼岸花は叫んだ。
二頭身狐の土下座。………………なんて、言ってる場合じゃない。
「お願いします」
「何を!?」
「どうか、諦めないでください」
「何を!?…………………じゃない、えっと?それは、当たり前だけど」
「本当ですか!!」
「うおっ、ほ、本当ですわ」
勢いよく頭をあげるこんのすけに、彼岸花は頷いた。
「これくらいじゃ、諦められないよ。」
「良かった…………」
「もう、心配性だなぁ。」
うりうりと頬をつついてやると、こんのすけに嫌がられた。
「心配性な君に、一つ、宣言しておいてやる」「?」
「私は、馴染むぞ!カメレオンのように!!この本丸を、寧ろ、私色に染めてやるわ!」
それは、一つの宣言。
もし、明日挫折するのなら。
「今日の私が殴りに行ってやる」
裏話
「…………………う、あ、れ?ここは…………」
「よう、一兄。起きたかい?」
「薬研?私は…………」
「覚えてないのか?俺達を見送った後に一兄、倒れたまったんだぜ?」
「見送り…………ということは、出陣は?」
「無事に勝利だ。大和守の旦那が怪我を負っちまったがな」
「そうか。それは………お気の毒に」
「後で様子を見に行ってやろうぜ。」
「そうだね。…………ところで、薬研。私は、今日、ずっと寝ていたのかい?」
「あぁ。それがどうした?」
「いや。………いや、いい。夢を見ていた様だ。」
「へぇ」
「…………………」