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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第3章 第二章 変化を求める、カメレオン


戦闘の終わりはもう見えていた。 
………………………………刀剣達の負けという形で。

「っ!!なんだ?この、不穏な感じ………」
「何か、近づいてくる?」
不安そうに辺りを見回す刀剣達。
彼岸花も真似て見るが、特に何も変化はない。
「……………!」
何か閃きの様なものが降りてきた。
ハッとして、先程まで隠れていた林を見る。
(…………何か、来る。)
彼岸花は刀を抜いて、構えた。
ーーーその時である。
何かを切るような音と、つんざくような悲鳴が辺りに響いた。

「!!安定ぁ!?」
誰かの呼び掛ける声で、彼岸花も他の刀剣達も異変の正体に気がついた。
顔を横へと向けた先、大和守安定が加州清光に支えられている。
大和守の腹部からは止めどなく血が溢れでており、一目で重症を負ったのだと理解できた。
駆け寄る刀剣達。それに続こうとしたが、大和守の怯えるような視線に足は止まった。
(駆け寄ってきた仲間よりも先に、見知らぬ敵を見るか。)
……………………………………彼岸花は無言で踵を返す。
(大和守をやった奴は、まだこの辺にいるはずだ。)
この中では加州清光と並んで最も戦闘慣れしている大和守。それを、不意の一撃であそこまで追い詰めるか。
まともにやって、勝ち目はない。でも、やらなくては成らないことが選択する自由もなしに迫ってきていた。
やらない理由と、やる理由。
どっちかは有り余るほどあるのに、もう一方は数えるほどもなかった。
(こんのすけ………ごめん。でも、行くよ)
唯一引き留める理由に詫びを入れて、彼岸花は林へと走り出した。

制止する声は、ない。
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