第3章 第二章 変化を求める、カメレオン
「っく、乱!!」
「待ってて!直ぐに行くから!」
彼の兄弟達が叫ぶが、彼等も手が離せる状況じゃない。
打刀の二人を見るが、彼等も目の前の敵を蹴散らすのに必死だ。
『阿津樫志山がどんな場所が知ってて言ってる?』
今更になって小娘のあの言葉が蘇る。
知らなかった。正直に今はそう思う。
だが、ひくきはない。前以外には進めないのだ。アスリートは!
「小さい子相手になに群がってんだ、卑怯者がぁ!!!」
叫びながら地面を蹴る。
右膝を曲げ、左足を伸ばし相手へと突っ込む。
『必殺!刀剣キック!!』
脳内でナレーションを流し、説明しよう!と無駄に長い説明を一気に読み上げる。
「説明しよう!刀剣キックとは、仮面ライ⭕ーがラ⭕ダーキックなら、刀剣は刀剣キックでいいんじゃないかというシンプルにして、純粋な理由より名付けられた飛び蹴りである!!」
「効果!受けた相手は死ぬ!!」
吹っ飛ぶ歴史修正主義者。
彼岸花は着地すると、更に他の歴史修正主義者へと突っ込んだ。
先ずは、短刀。
相手の短刀は見ると、口に刀を加えているではないか。
これはなんという、カモ。
短刀の無駄に速い一撃をしゃがんでかわし、その頭へと回し蹴りを叩き込んだ。
鈍い音。短刀が地面を転がる。
「…………これで、いいんだよね?」
誰にでもなく問いつつ、短刀を足の裏で折った。
シンと静まり返り、時間が止まる戦場。
誰もが、らしくない戦いを繰り広げる刀剣女子に目を奪われていた。
「うおらぁ!食らいやがれ!」
………時が動き出したのは、そんな少女の拳が打刀を怯ませた瞬間。
一気に我に返った面々。
一足先に我に返った刀剣達の一撃に、無防備だった歴史修正主義者達が沈んでいく。
戦闘の終わりは、もう見えていた。