第3章 第二章 変化を求める、カメレオン
「小さい子相手になに群がってんだ、卑怯者がぁ!!!」
彼岸花の飛び蹴りが歴史修正主義者を吹き飛ばす。
「かかってきやがれ!!私は逃げも隠れもせん!!」
彼岸花がスベってから大体10分後。先頭を歩いていた薬研藤四郎が止まったことで、他の全員も足を止めた。
「薬研?どうかした?」
「しっ。敵だ。全員隠れろ」
(おお、初の敵か)
引いては彼岸花にとっての初戦相手である。
他の5人に従って彼岸花が身を隠すと、不穏な気配が漂ってくる。
(これが、歴史修正主義者の霊力…………対して小娘とかわんねぇ。)
つまり、心が汚い。
可哀想な連中だ。こんな汚い霊力を纏ってしか生きられないなんて。
彼岸花達も小娘の霊力によって具現化しているので、これは盛大なブーメランである。
「加州の旦那、鯰尾兄、俺が合図したら奇襲をかけてくれ。」
「「わかった/任せてください!」」
頷く二人。
「乱、大和守の旦那は悪いが、少し回って俺達が奇襲を仕掛けたあとに出てきてくれ。」
「「任せて!/了解!」」
二人が了承したところで、薬研が今度は彼岸花を見た。
今度は私の番ですね!と意気込む彼岸花。
「あんたは………俺達の邪魔にならない所にいてくれ。出来れば、視界にも入らないでくれると助かる」
「りょうか………………何だと。あれか、さっきの嘘だピョーン!が悪いのか。古いって?お前らの方が古いだろ!寧ろ、多目に見て最新のネタだよ!!」
「……………………」
完全なるシカトである。いや、まぁ、確かに彼岸花は戦闘のド素人だが、視界にも入るなとなると流石に故意の悪意を感じる。
(あいつか。あの、水色の頭のお兄様が原因か。一期一会ぇ!!)
微妙に間違えている感じはあるが、わからん。現実の方が大事だ。
そうこう考えている間にも時間は進む。………つまり、戦闘が始まった。
そこからは、まさに真剣勝負。息を飲むような攻防だった。
小さな子と侮っていた短刀達も半端じゃなく強い。一撃は軽いが、その速さと正確さでそれをカバーしている。
凄い、と真面目に感心してしまう。
ーーー戦闘の流れが変わり始めたのは、彼岸花が感心した直ぐ後の事であった。
「きゃあッ!!」
女の子らしい叫びに彼岸花が見ると、乱藤四郎が敵にかこまれていた。