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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第3章 第二章 変化を求める、カメレオン


「…………確かに、彼岸花様と私は会って一日もたってはいない。交わした言葉だって、少ないものでしょう」
「ならば………」
「ですが、あの方は今までのどなたとも違う。勇敢で優しい方です。」
「………のう、こんのすけや。今までお前にそそのかされて、どれだけの人間が逃げ帰った?」
「……………」
「知らぬは通されぬ。九だ。九人。どいつもこいつも、あの手この手でこの本丸にちょっかいをかけてきた。だが、皆、逃げ帰った。」
「それは、皆様は人の身でしたから………」
こんのすけが言い訳のように呟くと、三日月が笑う。
「人とあやつの何が違う。悠久の時を生きたわけでもない。戦場にて命を奪ったわけでもない。折れたわけでも、壊れたわけでもない。…………な、人と変わらぬ。奴に命を懸ける覚悟はない。そして、命をかけねばこの本丸は変えられない。違うか?」
「………………三日月宗近。貴方は、もう既に壊れてしまっているのです」
「何を言うか。壊れぬ方がおかしい」
「貴方は、諦めてしまった。そして、今ではこの不変を望んですらいる。…………変わった先の未来が怖いから。」
「……………あの娘であろうと、他の誰であろうと。変えることは許さん。……………こんのすけ。お前には何度か救われた。だから、今までは見逃してきた。けれどーーー次はない。もしあの娘が災厄を持ってきた場合、お前の時も無くなると思え。」
「………………………………」
背後から三日月の気配が無くなる。
「これが最後。……………存じております。覚悟は出来ているのです。」
ーーーずっと前から。
内心、そう付け足して、こんのすけは目を閉じた。
娘の帰りを待つ彼は、今、どんな気持ちなのだろうか。
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