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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第9章 月蝕の三日月。命のない罪。つまりは矛盾


顔を向けると新撰組………そう、確か新撰組の刀達が此方を見ていた。
睨んでいるのは前方に座る三名。加州、大和守、和泉守、だ。
敵意しか感じられない三人からの視線に彼岸花はため息をついた。
(心底嫌われてるっぽいな)
移動するだけ視線で追ってくるので、道場を出る瞬間彼岸花は振り返った。
(いー!)
彼岸花が頬を引っ張り歯を見せてやると、睨んでいた三人だけでなくそれを見た刀剣達が呆気にとられる様な顔をした。
それを見て少し気が晴れたので、連中に背を向けて道場を出ていく。











三日月宗近は闇落ちしているのか、否か。
倉庫に向かう道をのんびりと歩きながら、彼岸花は考える。
あの時、三日月が小娘に攻撃を加えられていたのかどうかは解らないが、少なくとも加えるには闇落ちをする必要がある。
となると、あの時点で三日月は闇落ちをしていた可能性が出てくるわけだ。
霊力、見た目に変化はないが、だからと言って安心はできない。
(でも、まだしていない可能性もあるんだよね)
というか、されていると困る。闇落ちした刀剣を戻す方法など、夢に入る方法より見つけるのが困難かもしれなかった。いや、そもそもあればの話であるが。
(夢に入る、か……………)
本当に実現可能の話なのか。
いや、しかし現状起こす手だては無い。
仮にも主である小娘に聞けば何か解るかもしれないが、下手に刺激して元に戻っても困る。
「……………………………………取り敢えず、夢に入る件が先かなぁ」
成功するにしろ、失敗するにしろ、それが片付かない限り他の刀剣の協力も望めない。
考えていると、また例の湖が見えてきた。
流れてくる風が冷たくて気持ちいい。
階段の側まで来ると、眼下にある倉の入り口付近で石切丸が佇んでいるのが見えた。
(何をしてるんだろ)
そう思いながら階段を下りていくと、徐々にそれも解ってきた。
倉内には石切丸の他にも誰かいたのである。そして、その誰かが倉の扉を塞いでいるので石切丸が入れないのだ。
そして、さらに近づき扉を塞ぐその人………否、その刀剣が見えた。
「た、太郎さん……………何してるんですか」
「!!す、すみません。私も共に本を探そうと思ったのですが………本体が引っ掛かってしまいまして………」
「いや、どんな状況!!」
「困ったね」
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