• テキストサイズ

〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第9章 月蝕の三日月。命のない罪。つまりは矛盾


「きーみーがーあーよーおーはー♪」
「……………」
「ちーよーにーやーしーろーに♪」
「…………………おい」
「さーざーれーいーしーのー♪」
「……………………おい」
「いーわーおーとなーりーてー♪」
「………………………………………」
「こーけーのーむうすーうまーあーで♪」
君が代(正確には)
君が代は 千代に八千代に さざれ石の
巌となりて 苔のむすまで

「…………………………………………ようやくその妙な歌が終わったか」
「妙とはなんだね。国歌だぞ」
顔をしかめさせて彼岸花は、向かい側のケモミミ男の顔を見た。
因みに何を挟んでの向かい側かと言うと、三日月宗近を挟んでのである。
彼岸花は現在道場に来ていた。
既に三日月が本当に起きないのかという検証は済んでいる(先程の国歌も実験の一部)。
国歌で起きないのだから相当だ。
道場内では既にほとんどの刀剣が、彼岸花達から距離をとって此方を窺っている。
「ほら、見た前よ。君が恐いから皆怯えているよ」
「恐いのは貴様の歌の方じゃ!全く、妙なものを聞かせよって………」
「え(゜ロ゜)!?君、国歌聞いたこと無いの!!??これは、こういう歌なんだお!」
「……………………………………顔と共に台詞が心底腹立たしい」
小狐丸とかいう刀はそう呟いて、眉を潜めた。
彼岸花がおふざけ半分に小狐丸を相手していると、石切丸がやってきた。
その手には何やら分厚い本が。
「石切丸さん、結局夢に入る方法は見つかったんですか?」
聞くと、石切丸は僅かに肩をすくめて答えた。
「いいや、何となくは解るのだけど肝心のところは解らないままだよ」
「うーん。まぁ、雲をつかむような話ですからね」
「………………………お主、普通に話せるのではないか」
「そうだね。難しい話だよ。せめて、他に文献があれば………」
石切丸の呟きに彼岸花はピンと来て、口を開いた。
「参考になるかどうかは解らないんですけど、倉庫の地下に本が沢山ありましたよ………………なんて顔してるんですか、小狐丸さん」
「………………………………なんでもないわ」
「はぁ。」
彼岸花は軽く返事をした。
「地下か、成る程。行ってみよう」
石切丸がそう言って踵を返す。
彼岸花もついていこうかと立ち上がった所で、鋭い視線を感じた。
/ 281ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp