第8章 第七章 饅頭ならばつぶ餡派、咲くのなら花の下
裏話
誰が悪いわけでもない。
そうだ。その通りなのだ。
もし、問題があるとしたら、それは………
「私の方か」
すがりついて、誤魔化して。
大切なものすら見失っていたのだろう。
ずるい、とあの幽霊達が言った意味。
今なら痛いほど解る。
このままでいいんですか。
わからない。
わからない。
だけど、どこか。胸が苦しい。
彼岸花は、空を見上げた。
「生きるのなら。花の下がいいと思ったんだよ」
もしも、明日………花が散るのなら。
その花は、誰が弔うのだろう。
誰が、その花を覚えているのだろう。
私は、覚えていられるのだろうか。
花が散るのなら。また、花を探しに行こう。
花の下で、生きていこう。
それが我儘でも、罪でも……………どうか。
「もう少しだけ時間をください」
目を閉じて、両手を合わせて。
そうやって祈る少女の姿を、見ているものが月の他にも居たのだ。
「……………」