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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第3章 第二章 変化を求める、カメレオン


といったような回想を経て、彼岸花は座敷に来ていた。
彼岸花が来た時には既に全員が揃っており、彼等は座敷に敷いてある座布団へと座っていた。
彼岸花も適当に座ろうとしたのだが、余っている座布団が見当たらない。
うろうろと動き回っていると、暫くして襖が開かれた。
開かれた襖の先には、当然小娘が立っている。
「………………………」
小娘は座敷の一番奥に離れて置いてある座布団へと座ると、さも当然という顔で口を開いた。……………立ったままの彼岸花を無視して。
「こんのすけ。さっさと指示しなさい」
彼岸花が苦い顔をして立っていると、何処からか現れるこんのすけ。
こんのすけは、直ぐに彼岸花に気がついた。
「あ…………」
〈いいよきにすんな〉
こんのすけに口パクで伝えれば、軽く会釈をされた。
ここまで来れば彼岸花にだって意地がある。座ってなんかやるものか。
突き刺さる刀剣男子達の視線だって喜んで受けてやろうじゃないか。
「そ、それでは。本日の出陣予定を発表します。」
事前に手にいれた情報によれば、出陣出来るのは第一部隊だけらしい。小娘は何故か刀剣男子達を外に出したがらないのだとか。
酷いことをするくらい嫌いならば、いっそ自由にしてやればいいのに。理解したくない心境だ。
ぶつぶつと考えている内に発表が始まった。

「第一部隊、隊長 五虎退
      隊員 薬研藤四郎
         乱藤四郎
         鯰尾藤四郎
         加州清光
         大和守安定、以上です」
「本日、第一部隊の皆様には阿津賀志山へと出陣していただきます」
(呼ばれなかった………)
そうだ、こういうこともあり得たのだ。完全に盲点であった。
冷静に考えれば昨日来たばかりの新人を戦に出す筈がなかったのだ。
自身の愚かさに打ちひしがれる彼岸花。
(ど、どないしよ。戦闘という場にいれば自然と話もできると踏んでいたのに………つーか、呼ばれた連中喜びの一つもないのか。私はこんなに行きたかったのに。寧ろ、変われや。死刑宣告されたかのような声だしやがっ…………………待てよ、五虎退って確か………)
ふと、横目で確認するとやっぱりそうだ。政府にいたとき、虎を連れているということで覚えていた短刀の子だ。
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