第3章 第二章 変化を求める、カメレオン
ーーー午前九時、ブラック本丸座敷
彼岸花は右手を挙手した状態で、審神者と向き合っていた。審神者の横ではこんのすけが青い顔をしている。
午前八時半。
彼岸花はとある人からの忠告に従い、座敷に来ていた。
とある人というのは、名前は忘れたが右目に眼帯をしている人だ。
遡ること早朝7時半、起床した彼岸花はすることがないので、畑に来ていた。
そこは予想通りただの荒れ地とかしており、畝(うね)らしきものが見えるような見えないような状態であった。
因みにこんのすけは仕事があるとかで居なかったので、その時は本物の一人であった。
彼岸花が土弄りをしていると、いきなり背後に近づいてきた気配。
のんびりと振り返れば、そこには眼帯の刀剣男子が。
因みに、この時の気分にBGMをつけるならロッキーのテーマだ。
昨夜のこんのすけの発言を思いだし、彼岸花は腰の刀に手をかけた。…………相手がしているように。
この時の問題を一つあげるとすれば、腰に刀が無かったことである。
なので、しょうがなく刀を探す手を腰にあて、所謂ジョ⭕ョ立ちならぬ仁王立ちを披露した。
「こんなところで何をしているのかな?」
「女の子と話すのに刀を抜刀する必要はないと思うぜ。刀から手を離しな」
「…………………まぁ、君は丸腰だし、いいか。それで、何をしているんだい?」
「見たわからぬのか。土弄りだ。蚯蚓(みみず)見る?」
「見せないで。………余計なことはしないでほしいな」
「余計?土弄りくらいはいいでしょ。」
「違うよ。君、妙な正義感は持たない方がいい。同情も救いも君には求めていない。大人しくする気がないのなら……………」
「…………………」
「………誰とは言わないけど、僕らも黙っちゃいない」
「………………二年間、今の状態らしいね。いい加減、何かを変えようとは思わないの?」
「来て二日目の君に、何も解りはしない。辛さも苦しみも、君とは分け合うつもりすらない。」
「それは何故?私が女だから?それとも、貴方が知らない刀だから?」
「君が女で底が見えているからだよ。君みたいな子は残念ながら何人も見てきたものでね。媚びを売られるのも、同情されるのも、うんざりなんだ。」
「君が何もしないのなら、僕はなにもしない。だから………」
「関わらないで」