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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい


「それじゃあ、行ってきます!」
彼岸花は大きく手を振って門を潜った。

潜り抜ける時に、また何時もの浮遊するような感覚がして、気付いたとき彼岸花は何処かの山の中に立っていた。
「……………大丈夫か」
声が掛けられて彼岸花は顔をそちらへ向ける。
「骨喰君か。大丈夫、ありがとう」
「そうか」
短く言って、骨喰はまたぼんやりと森の中を見だした。
「えー!何処、ここ?」
突如としてそんな声があがる。
あげたのは、大きな刀を背負った銀髪の少年。彼が蛍こと蛍丸だ。
彼は辺りをキョロキョロと見渡してから、顔をあげて隊長である髭切を見た。
「うーん。何処だろう?」
しかし、隊長である髭切は蛍丸の疑問を解決する答えを持ち合わせていない様だ。
のほほんと首をかしげる彼に、彼岸花含め皆が不安を感じずにはいられなかった。
(大丈夫か、この人)
「………というか、何処ってどういうこと?」
少なくとも皆が同じことを気にするなかで、彼岸花だけが今一つ何を騒いでいるのか理解できていなかった。
骨喰に尋ねると、答えてくれたのは彼よりもずっと高い声。
「あなたはしらないかもしれませんけど、ふだんととばされたばしょがちがうんですよ」
彼岸花が答えてくれた今剣を見ると、彼は少し不機嫌そうな顔であった。
昨夜のことがあるので、彼岸花がどう答えるべきか悩んでいると、再び乱入してくる声。
「ふーん、国俊が気にしてるからどんな奴かと思えば。案外、馬鹿なんだね」
「君、失礼って言葉知ってる?」
「知ってる。でも、べつにあんたは目上の存在じゃないでしょ」
「それもそうか。対等だよね」
彼岸花がポジティブに言えば、蛍丸の顔に一瞬影がさした。
「対等………まさか、俺はあんたよりずっと強いよ」
「らしいねー。聞いてるよ、だから頼りにしてます」
「…………………………………………あー、もう。めんどくさい」
何時までも気にしない彼岸花に、これは相手をするだけ無駄だと思ったのか蛍丸が背を向けた。
「はははっ。完全S勝利」
「あきれられただけですよ。」
「まぁ、そういいなさんな。君こそ、もう大丈夫?」
「………しんぱいするのなら、あんなこといわないでください」
「言ったとこを後悔はしてないよ」

「………………………あなたの、そういうところがきらいなんです」
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