第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい
「でも、そうなるとこんなのが拾弐体も居るってことになるのかぁ………どうしかしてやがるぜ」
「いえ、残りはこの伍番目だけです」
「え?」
彼岸花は聞き返した。実は内心戦う気満々だったのだ。
「その他は政府の連絡によって、過去倒されました」
「……………今のってもしかして、歴史の過去と現在の過去を掛けたギャグだったりするの……」
中略
「悪かったよ。今そんなことを言ってる場合じゃなかったね。…………あ、あー!それにしても凄いなー!政府!ただふんぞり返ってるだけじゃないんだねー!見直した!!」
政府の事をべた褒めしつつ、彼岸花は怒り顔のこんのすけを見た。
しかし、真面目な話。政府の事を見直したのは本当だ。流石、付喪神なんてマジックをやってのけるだけある。不思議技術を使うだけの魔法集団ではなかったか。
「……………………………はぁ、もういいです」
「顔はそういってないよ。………あ、嘘磯。ごめんね」
「磯ってなんですか。とにかく、大切な話なのです。真面目に聞いてください」
「おう。」
「……………今まで、歴史修正主義者の亜種と戦った刀剣男士達は、ほとんどが破壊の道を辿りました。そういう存在なのです。」
「姿は?」
姿がわからないとどうしようもないじゃないか、そう彼岸花は付け足してこんのすけに尋ねた。
「詳しい姿は解りませんが、他の歴史修正主義者とは全くもって姿形がことなるそうです。更に具体的に言うと、彼等は羽を持っていたり、鎌を持っていたり、下半身が雲のような八足であったり」
「……………まるで闇落ちした刀剣みたいじゃないか」
彼岸花はあの夜のおぞましい姿を思い出して眉を潜めた。
「えぇ。だから、私も彼岸花様から太郎太刀の話を聞いたとき逆の事を思いました」
「………参ったなぁ。確かに、あの人の仲間が現れたら困る」
しかも相手は言葉も通じない歴史修正主義者。前回以上の波乱が予想できる。
「そんなのに何で私を向かわせるんだ?小娘は」
「恐らく彼岸花様が、闇落ちした刀剣と対峙した経験があるからでしょう」
「………………………………待ってくれ。何故、奴があの夜のことを知っている?」
「……………………………………………………申し訳ありません」
「報告したんか。まぁ、殺されなかったならいいよ。」
「申し訳ありません」
「気にすんな」