第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい
『歴史修正主義者の亜種について
審神者の皆様にお知らせいたします。
先日、桶狭間にて例の歴史修正主義者亜種を確認。ナンバーは伍。
約二年前(二×××年九月六日)に発見されて以来姿が確認されなかった亜種につき、発見した審神者様には報酬を。また、退治に成功された方には更なる報酬を用意させております。皆様、心して取り組んでください
政府』
「随分とはっちゃけた連絡だな、おい。政府、って。こんなもんなんすかね、社会って」
「そこではありません!桶狭間ですよ!彼岸花様!!」
「………………え、もしかして明日の出陣って」
「桶狭間です」
「マジかよ。オウ、ディア」
「発音が酷い」
「解ってます。oh dear が正解だね」
「以外に英語が出来る彼岸花様の事はいいのです。それよりも、これは一大事です!」
「以外に毒舌なこんのすけの事はいいとして、つってもなー。私が断って誰かが行かされるなら、覚悟を決めるよ」
彼岸花は親指を立ててこんのすけに言った。しかし、こんのすけの顔は晴れない。
「そんなに心配?これでも、結構強くなったんだぜー?」
「心配です。貴方様もですが、他の皆様も」
こんのすけの言うところが今一つ彼岸花は解らなかった。
確かに、彼岸花とて奴等が年中心配ではあるがそんなの今に始まった事じゃない。戦闘においては悔しいが彼岸花より弱いものの方が少ないだろう。
それなのに何を今日に限って心配するのか。
「心配って、どういう風に?」
「……………詳しい理屈は自分でも解りません。ただ、何故か酷く胸騒ぎがするのです」
(ふーむ、なるほど。解らん。……………いっちょ話題を変えてみるか)
精神医じゃない彼岸花は、こんのすけの不安原因など解るはずもなく一先ず話を進める事にした。
「うーん、それほどまでにこいつが強いのかな?ところで、ナンバー伍ってのは?」
これまた恒例の気になっていた事である。
「あぁ、それでしたら………実はこれまでに発見された歴史修正主義者の亜種は拾弐体おりまして、その内の伍番目と言う事ですね」
「使徒?使徒なの??エヴ⭕ンゲリオンでるの?」
「止めてください。あんなもの現実に現れたら我々では対処できません」
「え、そこ?」
彼岸花は突っ込みに回らざるを得なかった。