第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい
「よっしゃー!!それなら、明日は頑張りますか!歴史修正主義者どころか天下まで取ってやるぜ!」
「いやいやいや!!それじゃあ歴史修正主義者と一緒だっての!!」
「まだまだ突っ込みが甘いな獅子王君!こんのすけならもっとうまく返すぜ、何故なら奴は私に鍛えられてるから!」
「か、可哀想………」
燭台切の言葉も無視して、彼岸花は久々にはっちゃけていた。
「さーて、寝ますか。ほら、さっさと部屋に戻って寝なさい、野郎共。それとも朝まで耐久しりとりでもするかい?構わんぞ、私は強いけどね!」
「よ、酔ってるのかな………?」
「頭が春なんだろう。そろそろ帰ろうか、僕も眠い」
歌仙が吐き捨てるように言ったことで全員ゾロゾロと部屋を出ていった。
「ちぇっ。何ともノリの悪い連中だ」
(まぁ、元気なら何よりかー)
「明日かー」
「君も早く寝るんだよ。おやすみ」
「おーう。おやすみ」
歌仙に軽く返して、彼岸花は天井を見た。
「頑張らないとなー。つーか、急にテンション切り替えたことについては一言もなしかい」
長く続いた緊張状態から解放されて普段の一・五倍はハイになってるつもりなのだが、あまり注目されなかった。
(あれ、もしかして普段とあまり変わってない?)
それならそれで悲しいものがあるのだが、まぁいいか。
(ふーむ。出陣ねぇ)
何故このタイミングで?それに、メンバーが少し気になる。
(今剣君は初期鍛刀だから、私と違って強いはずなんだけどなぁ)
彼に合わせるとしたら相当大変なところに出陣するのだろうか。
天井を見ても答えは出ないけれど、考えることは大切なことだ。
彼岸花がそうやっていると、襖が引っ掛かれるような音がした。
「うん?」
「彼岸花様、彼岸花様。起きていらっしゃいますか?」
こんのすけの声だ。彼岸花は小声のこんのすけに返事を返すと、襖を開けた。
「こんのすけ、どうしたこんな夜中に」
「すみません。どうしても伝えないといけないことができまして………」
そう言ったこんのすけは、側にあった紙を加えると室内に入ってきた。
「その紙は?」
聞いてやらないと可哀想………というより、彼岸花も気になったので聞いてみる。
こんのすけが差し出してきた紙を受けとると、彼岸花は中を読み始めた。
『歴史修正主義者の亜種について』