第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい
彼岸花ははっきりとそう言った。
迷いなんてものはない。何故なら心の奥からそう思っているから。
「……………そう、君がそう言うのならそうなのかもしれないね」
何処か諦めたように、でもホッとした様に青江が言った。
「大丈夫。私は、解りあえると思っています。」
「…………………成る程。頼もしい限りだ」
石切丸も穏やかに笑ってくれたので、多分これで良かったのだ。
何となく、大変なものは乗り越えた気がする。だから、後はきっとこのまま言葉を交わして加州を探せばいい。
見つかる頃には、もっと解るものも増えているはずだから。
彼岸花は今剣を見た。
(今剣君とも、解りあえればいいな)
二人が部屋に帰って、彼岸花も部屋に帰ることにした。
部屋の襖を開けると、そこに歌仙達が集まっていた。
「うぇっ。何で集まってるんだ」
「君を心配してだよ。取り敢えず、お帰り」
「う、うわー………まぁ、ただいま」
集まっていたメンバーは、歌仙、鳴狐、獅子王、燭台切、それと一期一振に薬研藤四郎。「………って、何でお二人まで?」
彼岸花は一期と薬研を見て思わず呟いた。
「い、いけませんでしたか?一応、心配で見に来たのですが」
「まぁ、俺等はまだ親しくも何ともねーからな。しゃーないぜ、一兄」
「いけませんくはないし、親しくないとか思っても無いけど。以外だなぁ………つーか、深夜だぞ寝ろよ、よいこ。」
「おいおい。あんたよりはずっと歳上だぜ」
「知ってる。」
彼岸花は何だかんだ言ううちに論破されてしまいそうだったので、結局流して座ることにした。
「でも、愛染君は寝てるんでしょ?居ないってことは」
「まぁな。」
「……………君は短刀なんだからさぁ」
「おっと、説教なら聞かないぜ。一兄にされまくってるからな」
「開き直るな」
言いつつ、彼岸花は髪をかきあげた。
「それで、見つかったのかい?」
歌仙が早速聞いてくるが、彼岸花は首を横にふった。
「見つからなかった。ついでに言うとまだまだ、先は長そうだよ。」
「なぁ、明日はやっぱり俺達も協力しようか?」
獅子王が申し出てくれたが、彼岸花はそれも首を横にふった。
「……………いや、止めた方がいいよ。思いの外やばそうだし」
「何か出たの?」
「いやー………うーん。」
燭台切からの問いに対し曖昧に答える。