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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】


「兎に角、貴様が無事に安土に戻った事は俺としても喜ばしい。
 貴様が此処に居れば、家康もこれ迄と変わりなく
 俺に仕えてくれるだろうからな。」

「別に……が居なくても
 俺はあなたを裏切ったりはしませんよ。」

不貞腐れたように言う家康を見て、信長様は堪えきれないとでも言うみたいに大声で笑った。

「そんな事は重々分かっておるわ、家康。
 を貴様にくれてやる…と言っておるのだ。」

くれてやるって……別に私は信長様の持ち物じゃないんだけど。

でも、これからずっと家康と一緒に居てもいいって事だよね。

「話は済んだ。
 さっさとを貴様の御殿に連れ帰れ。」

楽しそうにニヤニヤと笑う信長様に向かって頭を下げた家康は

「ありがとうございます。
 では、戴いて行きます。」

そう言って私の手首を掴んで立ち上がった。

「え………?」

驚く私を引き摺るようにして部屋を出る家康。

私は慌てて振り向いて、信長様にお礼を言う。

「ありがとうございます……信長様。」

そんな私を優し気に見つめて微笑む信長様の口から放たれた言葉が、私の顔を真っ赤に染めた。

「、家康に思う存分可愛がってもらえ。」
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