第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】
「良く戻ったな、。」
ゆったりと脇息に身体を預けて座っている信長様が、愉快そうに笑って言った。
その目の前で正座している私は緊張で身体がガチガチだ。
「……ご心配をお掛けしました。」
居たたまれなくなってそう言ってみると、信長様は更に楽しそうに笑う。
「心配なぞしておらん……俺は…な。」
……どういう意味かな?
俯いたまま、視線だけをチラリと信長様に向けると
「が心配で堪らなかったのは…こいつだ。」
からかうような言い方で私の隣に居る……家康を見てた。
………家康が?
驚いて家康をじっと見つめると、それに気付いた家康は何故か頬を染めて信長様を睨み付けていた。
「変な事を言わないで下さい。」
「変な事…?
真実ではないか……家康。」
「………あの…どういう事…でしょうか?」
良く意味が分からなくて信長様に問い掛けてみる。
「何だ……家康。
に伝えておらんのか?」
益々意味が分からないよ。
不審気な顔をする私に向かって、信長様がズイと身を乗り出してきた。
「貴様が置き手紙をして此処を出て行った後、
家康の取り乱し様と言ったら酷い物だった。」
信長様はそれを思い出したのか、くつくつと笑いながら続ける。
「直ぐにでも単独で飛び出して行きそうな
家康を宥めるのは誠に骨が折れた。
そんな家康を落ち着かせる為にも
を連れ戻すのは俺の命だとしてやったのだ。
ついでに家康が苦手な三成も着けてやったわ。
三成が一緒に居れば無茶はせんだろうと思ってな。」
そうだったんだ。
家康がそんなに心配してくれてたなんて……
どうしよう………すごく嬉しい。