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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第25章 カレシと妻【幕末カレシ】


翌朝、私と烝くんはルームサービスで朝食を済ませてチェックアウトした。

烝くんは初めて飲んだコーヒーがとても気に入ったみたい。

その後に皆へのお土産を買いに行った時にもカフェでコーヒーを2杯飲んでたし。


それから沢山のお土産が入った紙袋を下げて上加茂神社へ向かうと、そこではもう晴明さんが待ってくれていた。

「ごめんなさい、晴明さん。
 お待たせしちゃいましたか?」

「ううん。
 俺も今来たとこ。」

そう言って微笑んだ晴明さんは、私と烝くんの顔を交互にマジマジと見つめる。

「あの……何か?」

「ふーん……
 どうやら楽しめたみたいだね。
 二人共、顔がツヤツヤしてる。」

「………っ!」

その言葉に昨夜の事を思い出し、顔を赤らめ言葉を詰まらせる私と烝くん。

晴明さんはそんな私達を見て、してやったりと笑い出した。

「あはは……
 も烝も正直だなぁ。
 俺は別に厭らしい意味で言ったんじゃないのにー。」

……………絶対に嘘だ。

ジトッとした視線で睨む私達に、晴明さんは殊更愉しそうに笑ってから烝くんが両手に持ってる紙袋に目を留める。

「ね……それ、お土産?」

「そうだよ。
 皆の分を買ったから大荷物になっちゃって。」

「当然、俺のもあるよね?」

「勿論。
 ここに来られたのは晴明さんのお陰だもんね。」

「晴明殿には、本当に感謝してる。」

ここで烝くんもペコッと頭を下げた。

「えー……
 感謝なんていいよー。
 俺はお土産貰えれば充分だから。」

そして3人で笑い合ってから、晴明さんが私と烝くんに向かって手を差し出す。


「じゃあ……帰ろうか?」

「はい。」「うん。」
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