• テキストサイズ

孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第25章 カレシと妻【幕末カレシ】


任務中に敵と遣り合った時ですら、こんなに息を上げる事なんて無い。

それ程に呼吸を荒げて俺はごろんと仰向けに寝転がる。


未だ抜け切らない絶頂の余韻に耽っていると

「……烝くん。」

がか細い声で俺を呼んだ。

「……ん?」

顔だけを傾けを見遣ると、綺麗な潤んだ瞳と視線が打つかる。

暫く見つめ合った後、は掠れた声を絞り出した。

「烝くん……
 ぎゅ…ってして。」


あー……

もう本当、あんたって可愛過ぎてどれだけ俺を困らせれば気が済むの?

寝転んだままを優しく引き寄せ、両腕で俺の胸に確りと閉じ込める。

「……ありがと。」

「私こそ。」

「好きだよ。」

「私も。」

「愛してる。」

「うん……私も。」


もうこれ以上、言葉でなんか伝えきれない。

だから俺とは広い広い《べっど》の上で、二人ぴったりと身体を寄せ合って眠りについた。
/ 834ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp