第25章 カレシと妻【幕末カレシ】
任務中に敵と遣り合った時ですら、こんなに息を上げる事なんて無い。
それ程に呼吸を荒げて俺はごろんと仰向けに寝転がる。
未だ抜け切らない絶頂の余韻に耽っていると
「……烝くん。」
がか細い声で俺を呼んだ。
「……ん?」
顔だけを傾けを見遣ると、綺麗な潤んだ瞳と視線が打つかる。
暫く見つめ合った後、は掠れた声を絞り出した。
「烝くん……
ぎゅ…ってして。」
あー……
もう本当、あんたって可愛過ぎてどれだけ俺を困らせれば気が済むの?
寝転んだままを優しく引き寄せ、両腕で俺の胸に確りと閉じ込める。
「……ありがと。」
「私こそ。」
「好きだよ。」
「私も。」
「愛してる。」
「うん……私も。」
もうこれ以上、言葉でなんか伝えきれない。
だから俺とは広い広い《べっど》の上で、二人ぴったりと身体を寄せ合って眠りについた。