第25章 カレシと妻【幕末カレシ】
………でもね、私達が用意したお土産の中で一番熟考して一番高価だったのは晴明さんの分じゃない。
それは慶喜さんと近藤さんへのお土産なんだ。
どうしてかって言うと……
「帰ったら直ぐ、と祝言を挙げたいんだけど。
一日も早く、の事を『妻(さい)』って呼べる立場になりたいんだ。
そうなると、一番世話になるのは慶喜様と近藤さんだから。
………駄目?」
烝くんにこんな風に言われて、ダメなんて言える訳ないよ。
私達を誰も知らない世界で、私達はお互いに生涯離れられないんだって知った。
これもやっぱり晴明さんのお陰かな。
だから………
お土産の件については晴明さんに絶対内緒にしておこうね、烝くん。
了