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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第25章 カレシと妻【幕末カレシ】


「………お待たせ。」

デザートの乗ったお皿を持って席に着いた私を見つめた烝くんは息を飲んで問い掛ける。


「、どうして泣いてるの?」

「ううん……何でもないよ。
 只、こうして烝くんと一緒に居られる今が幸せだな…って。」

「あんたって……馬鹿だね。」

「……え?」

「そんなの、これからずっとでしょ?
 俺とは死ぬまで一緒なんだから
 そんな当たり前の事で泣いたりしないで。
 あんたはずっと、俺の隣で笑ってて。」

「うん。」

隣の彼女達が漏らした落胆の溜め息と、こちらに注ぐ羨望の眼差しを受け止めながら、私と烝くんは微笑み合って食事を続けた。
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