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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第25章 カレシと妻【幕末カレシ】


瑞々しいフルーツや色とりどりのスイーツが並ぶデザートコーナー。

うーん………どれも美味しそう!

でもそんなに食べられないし………

私は厳選に厳選を重ねて、少しのフルーツと3つのプチフールをお皿に乗せた。

そして席に戻ろうと視線を向けると、隣に居た女の子2人が席を立って烝くんに話し掛けているのに気付く。

何を話しているのかな?

嫉妬とかそういう感情じゃなく、単に純粋な興味本意で私はそっと烝くんの背後に近付いた。


「あの……
 もしかしてタレントさんですか?
 今流行りの2.5次元俳優さんとか……」

「あー、それっぽい!」

彼女達は烝くんの事を芸能人だと思ってるみたい。

確かに某アイドル事務所とかに所属してたら、間違い無くトップアイドルになれるよね。

だけど烝くんはやっぱり彼女達の言っている事が理解出来なくて

「にぃてんご……はいゆう???」

なんて不思議そうに首を傾げてる。

そんな様子が益々彼女達の興味を引いたみたい。

「だって一般人レベルじゃないですよぉ♥」

「そう! 
 超絶カッコイイですぅ♥」

キャッキャとはしゃぐ彼女達に向かって烝くんは

「あー……『いけめん』だ。」

と、得意気に言い放った。


烝くん的には現代に来てから知った言葉が使えた事が嬉しくて得意気になってるんだろうな。

それが何とも微笑ましくて、私は吹き出しそうになるのを我慢する。

自分からイケメンだと自称する烝くんに彼女達は少し不審さを滲ませつつも、それでもまだアプローチを続けるようだ。
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