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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第25章 カレシと妻【幕末カレシ】


今、私と烝くんが居るのは京都。

幕末の京都にタイムスリップして、新撰組隊士の烝くんに出会ったんだから当たり前………

ううん、今は京都は京都でも2020年の京都なんだ。


京都にある五つ星ホテルの最上階、ロイヤルスイートに居る私達。

その部屋の大きな窓から京都の街の灯りを見下ろしていた。

今夜はここで一泊する。


どうしてこんな事になってるかって言うと、全部晴明さんのおかげ。

晴明さんが現代に行った時に、どこかの福引でこの宿泊券を当てたらしい。

「俺が一人で泊まったって虚しいだけだし。
 たまにはと烝でデートして来なよ。
 こっちに居れば色々気を遣っちゃうけどさ、
 周りに知り合いが全く居ない世界なら
 二人で思い切り楽しめるでしょ?」

なんて、私と烝くんに譲ってくれた。

「でも……烝くんはお仕事もあるし……」

そう、烝くんは新撰組で監察方を勤めながらも慶喜さんの護衛もこなすっていうとても忙しい人なんだ。

だから私も少しはゆっくりして欲しいなって思う時も多いけど、自分の仕事にプライドを持ってる烝くんは滅多に休んでくれない。

それでもね、晴明さんの提案を聞いた慶喜さんから

「烝……
 と二人で出掛けて来なさい。
 私の身を案じてくれるのは有難いが
 私だって烝の身体が心配なのだよ。
 偶にはとのんびり楽しんで、英気を養っておいで。
 これは命令だよ。」

こんな言葉を掛けてもらえたら、流石の烝くんも頷いた。



こうして晴明さんに連れられて2020年の上加茂神社にやって来た私と烝くん。

晴明さんからは現代のお金も渡されて……

「これはお小遣い。
 遠慮しなくていいからね。
 じゃあ明日の夕方、またここで待ってるから。
 楽しんで来て。」

私と烝くんのデートが始まった。
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